タイ語の単語は子音+母音+声調で成り立っていますが、時に、最初の子音が2つ重なっていることがあります。
今回はそんな二重子音について説明したいと思います。
二重子音はたくさんあるので、まずこの基本の二重子音のルールを覚えていないと後から混乱してきます。
タイ語の二重子音とは
タイ語の二重子音とは、単語の最初の子音が2つ続くこと。
タイ語の単語は、「子音+母音」で発音できるようになりますが、「子音子音+母音」となることがあるんです。
※ここで言う「子音」とは「末子音」ではなく、単語の最初に来る「頭子音」のことを指します。
タイ語の二重子音の単語って?
例えば、
は ป と ล が2つ続いて、2つの子音の間には母音はありませんのでそのまま、pl =と発音します。
場合によっては、ล(l)が聞こえず、パー(paa)と聞こえるくらいです。
英語の glad や plan のような単語と同じ要領ですね。
他にも、
ไกล(klai) 遠い
ขวา(khwǎa) 右
เพลง(phleeŋ) 歌
などが二重子音です。
男性が語尾に付ける丁寧語の ครับ(khráp)も二重子音ですね。
場合によってはカップ(kháp)と聞こえますし、ネットでは คับ(kháp)と書かれることもあります。(もちろん正しくは ครับ です。)
กไลではなく⇒ไกล
พเลงではなく⇒เพลง
となるので、慣れるまでは読むときにちょっと混乱するかも知れません。
タイ語の二重子音のパターン
二重子音になる子音のコンビは決まっていて
これらのコンビ+母音で二重子音となりす。
特に一番最初の กร を使う単語はかなり多いです。
กระทะ(kratá)フライパン
กระเทียม(krathiam)ニンニク
กระดาษ(kradàat)紙
กระเพาะ(kraphɔ́)胃
など。
กระ(kla)が「ガ」と聞こえて、ガタ、ガティアムのような発音に聞こえることも多いです。
実はこれ以外にも子音が2つ重なることがあるのですが、これ以外のセットここで言う「二重子音」にはなりません。
ちょっと意味が分からないかも知れませんが、例えば、
※なぜ母音の a が入るのかはこちら
>>もう1つの二重子音 母音を発音する子音の並びと声調ルール
タイ語の二重子音の声調
さてここで気になるのが声調ルール。
子音が2つ続いて、その子音のグループが違う場合、どちらの声調ルールが適用されるのでしょうか。
声調ルールについてはこちらから
>>タイ語の読み方 声調記号と声調ルールを覚えよう 徹底解説版
実は先ほどの表は、子音のグループごとに色分けしてあったのですが、さらに声調を付けてみました。
緑=中子音(อักษรกลาง)/赤=高子音(อักษรสูง)/青=低子音(อักษรต่ำ)
上のようになります。
よく見ると、1つ目の子音の声調ルールが適用されていますね。
例えば、単語 กล้าม を例に説明すると、
最初の子音が中子音の ก なので、中子音の声調ルールが適用されて下声(เสียงโท sǐaŋ thoo) klâam なります。
つまり、二重子音の場合は、2つ目の子音の声調は無視して、1つ目の子音の声調が優先されるということになります。
二重子音の単語例 発音と声調
二重子音を使った単語の例です。
ตรง(troŋ) まっすぐ | ครู(khruu) 先生 |
ใกล้(klâi) 近い | กล้วย(klûai) バナナ |
กล้าม(klâam) 筋肉 | โกรธ(kròot) 怒る |
เพลง(phleeŋ) 歌 | แผล(phlɛ̌ɛ) 傷 |
กลิ่น(klìn) 匂い | แปรง(orɛɛŋ) ブラシ |
เปลือก(plʉ̀ak) 皮/殻 | ขวา(khwǎa) 右 |
2つ目の子音に惑わされず、1つ目の子音の声調を意識してみましょう。
声調があやふやな場合はこちら
>>タイ語の読み方 声調記号と声調ルールを覚えよう 徹底解説版
タイ語の二重子音の発音と声調ルール まとめ
実は二重子音にはもう1つあります。
先ほど出てきた ตลอด のルールで、こちらは見えない母音を発音する上、組み合わせも声調もここの二重子音とは全く異なります。
次のページで詳しく説明しています。
>>もう1つの二重子音 母音を発音する子音の並びと声調ルール
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