タイ語がだいたい読めるようになる頃には、なんとなく気付いているかも知れませんが、
ガーランという「子音を読まなくする記号」「書いておくけど読ませない」というのがあります。
読まないのに書いて、それを消す記号を書くという謎ルールです。
タイ語の黙字記号とガーランとは?
タイ語の文字には、子音以外に母音や声調が付いてきますが、母音でも声調でも無いものが上に付くことがあります。
その1つが、
です。
印刷時のインク汚れかな?と思う程度の記号です。
これは、ไม้ทัณฑฆาต(mái thánthakhâat)と言う名前の記号で、この記号が付いた字のことを ตัวการันต์(tua kaaran)と呼びます。

が、この記号自体を การันต์(kaaran)または ไม้การันต์(mái kaaran)と呼ぶことも多いです。
(というか私はずっと ガーラン と呼んでいました。)
日本語では黙字記号と呼ばれています。
黙字、つまり「読まない字」なので、この記号が付いていれば読む必要はありません。
え?読まないのにわざわざ書くの?という疑問は置いておいて、単語例を見てみましょう。
読まない字が1つの場合
まずは ์ が付いた1字だけ読まないパターンです。
単語 | 読み方 | 意味 |
สัตว์ | sàt | 動物 |
เจดีย์ | jeedii | 仏塔 |
โทรศัพท์ | thoorasàp | 電話 |
ยักษ์ | yák | 鬼、夜叉 |
อนุรักษ์ | anúrák | 保護する |
สมบูรณ์ | sǒmbuun | 完璧な |
บริสุทธิ์ | bɔɔrísùt | 純粋な |
など。
記号が付いてる文字は様々ですが、どれも末子音の後に付け足された1つの子音に付いています。
1音節が終わったのに何かくっついてるなーというのがガーランです。
読まない字が2つの場合
黙字は2つになることもあります。
์の真下にある字と、その1つ前の字の2字が ตัวการันต์ (tua kaaran)となる単語です。
วิทยาศาสตร์ | wítthayasàat | 科学 |
วันจันทร์ | wanjan | 月曜日 |
สุราษฎร์ธานี | sùrâatthaanii | スラータニー(県名) |
単語だけなら何とか読めますが、これが文章の中に紛れていると、どこで区切るのか混乱してきます。
ガーラン字のある単語は、サンスクリットや他言語から来た言葉が多い気がします。
なので仏教関連の用語にもガーラン字があることが多いですね。
また、本来ならまだ続く単語を、短く切って他の単語にした場合にも付くことがあります。
外来語に付くケース
他にも、英語の単語をそのままタイ語表記する場合に、ガーランが付くことがあります。
タイ語 | 読み方 | 英語 |
ฟาร์ม | faam | farm |
สตรอเบอร์รี่ | satrɔɔbəərîi | strawberry |
สไตล์ | satai | style |
ไดโนเสาร์ | dainoosǎo | dinosaur |
การ์ตูน | kaatuun | cartoon |
เฟอร์นิเจอร์ | fəənijə̂ə | furniture |
英語の単語内や末の、r は ร์ にすることが多いですね。
一応スペルとして書いたけど、他のタイ文字で賄えているので発音不要、という理由かなと解釈しています。
また、そのままにしておくと、タイ語の末子音として読んでしまうので、そうなると音が変わってしまうから、という理由もあるのかな、と。
※いずれも私の勝手な憶測です。
タイ語の黙字記号ガーラン字の覚え方
ガーラン字の付いた単語、読むのはいいんです。
ไม้ทัณฑฆาต ์ の付いてる字を読まなければいいだけなので。
問題は書く時。
これはもう単語ごとに暗記するしかありません残念ながら。
私は、スペルを覚える時に、読まない字も読んで覚えています。
例えば สัตว์ なら「サットワ」とか。
後は見た目で単語を記憶したり。
タイ語の黙字記号とガーランとは?読まない字の種類と単語例
タイ語は子音と母音の組み合わせだから簡単かと思いきや、単語よって書き方が違うという「漢字よりは簡単」くらいの難易度じゃないかと思います。
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